村上春樹「品川猿の告白」読書会概要2020年8月

読書会の概要です。

開催日時:2020年8月19日金曜日19時30分〜

(開催決定日:2020年8月2日日曜日)

開催地:東京

課題図書:村上春樹品川猿の告白」(推薦者:ピクルス騎士団・医務さん)

一人称単数 (文春e-book)

一人称単数 (文春e-book)

 

同著者の短編小説集『東京奇譚集』(新潮2005年9月)所収の書き下ろし作品「品川猿」の続編です。初出は雑誌『文學界』2020年2月号、連作短編「一人称単数」の「その7」として掲載され、短編小説集『一人称単数』(文藝春秋2020年7月)に収録されました。

 

短編小説集『一人称単数』と「品川猿の告白」について

短編小説集『一人称単数』には、2018年7月から2020年2月まで雑誌「文學界」に発表された村上春樹の短編7作品に加え、書き下ろし1編が収録されています。村上春樹の短編小説集としては前作『女のいない男たち』から6年、直近の長編小説『騎士団長殺し』からは3年ぶりの刊行になりました。

今回の課題図書「品川猿の告白」は短編小説集『一人称単数』の7話目にあたります。もし読者がこの短編小説集を順通りに読み進めていった場合、この一編を読み終えたあとは残すところ書き下ろしの表題作「一人称単数」というとても短い作品だけになります。

 

品川猿の告白」あらすじ

5年ばかり前、行きあたりばったりの一人旅を続けていた「僕」は、たまたま群馬県のある温泉街の小さな旅館に泊まることになり、そこで人間の言葉を話す老いた猿に出会った。

人間の女性にしか恋愛感情を抱けず、好きになった女性の名前を盗むことで心満たされていたという猿の告白に「僕」の頭は混乱するが、その告白には痛々しいまでの正直さがあった。

やがて都会での慌ただしい生活に戻り、猿の記憶も少しずつ薄らいでいったが、ある日、仕事の打ち合わせで会った女性編集者が困ったように僕の顔を見て言うのだったーー「妙なことをお訊きしますが、私の名前はなんでしたっけ?」 

一人称単数 (文春e-book)

一人称単数 (文春e-book)